順目別放銃率の推定
2010-01-27(Wed)
前回に続いて今度は牌のカテゴリ別順目別の放銃率を求めることを考えます。
基本的に順目が深くなるにつれ現物が増える分、相対的に放銃率が増えるはずです。
とりあえずガンガン表とかグラフ載せていきますよ~
まず実測から抜き出したデータから

なぜか前回の75322局から6局減ってますが、同じデータです。前か今のどっちかがおかしいだけです。

放銃率の増加傾向は明らかですが、今回は当たった回数の数字が小さくあまり安定していません。
このままの数値を使うのは若干抵抗があります。普通にまんなかへんの順目でも減少になってる部分がありますし。
なので適当な式を立てて放銃率を推定することを考えます。
ここではxを順目、yを放銃率として、y=ax+bの線形の関係が成り立つと仮定します。(a,bは未知パラメータ)
後は実測にできるだけ沿うようなa,bを推定します。
しかし、この推定は意外と難儀です。順目ごとに母集団(切った回数)が異なるので、通常の回帰分析は使えません。
(当然切った回数が多い中順あたりのデータが重視されるべき。)
ここでは2つの方法を試みます。
(1)誤差2乗和の最小化
実測当たった回数と推定当たった回数の差の2乗の和を最小化させるa,bを採用します。式で書くと
順目xの切った回数をn_x、実測当たった回数をk_xとおいたとき
を最小化させるa,bを求めます。

回帰分析のときに近いアイデアですが、順目で平均した推定放銃率が実測とあっていないのが欠点です。
(2)最尤推定法
最尤推定法の手続きに従って進めていきます。記号は(1)と同じとして、尤度は

logとってa,bで微分して=0をとればいいので

この2式を満たすa,bを求めます。(a,bについて高々1次なので解析解が求まりますが、エクセルのソルバーに任せちゃいました)

推定放銃率の順目平均が実測とあっているのはいいですが、単騎字牌の早順でマイナスの放銃率が出ているまずい事態です。(もっとも単騎字牌の当たった回数が極端に少ないんでどんな推定だろうがあまり説得力がないでしょうが)
とりあえず今のところ単騎字牌以外は(2)、単騎字牌は(1)を採用することとします。
これが妥当なのか検証する方法が分からないのがちょっとネックになっています。
もっといい方法があるだとかこのような検証方法があるといった意見があればコメントしていただきたいところです。
さて、前回から目標にしている「スジまでは押すけど無筋引いたら降りる」ですが、
ここまでである牌までは押すの条件下でベタ降りに転じなかった場合の1順あたり放銃率が求まります。
順目xを固定して、ある区分k(ここでは両無筋~現物までを区分1~6とおく)までなら攻める場合、
区分iの牌をツモる確率をp_i(これは前回求めた)、区分iの牌を切ってリーチに放銃する確率をy_i(今推定した)と置くと、その順目でベタ降りに転じる牌を引かない条件での1順当たり放銃率は
で求まります。これを全順目でやればOKです。

「スジまで押す」の条件なら毎順50%ぐらいはベタ降りに転じざるを得ない代わりに、1順当たり放銃率で全ツの5%あたりから1%まで落ちる(実際は50%くらいベタ降りになっているので実際放銃の結果となるのは0.5%)ことを考えると私は十分戦略としてありそうに感じますが、みなさんはどのように感じるでしょうか?
実際どうなのかはまたこれから計算してみましょう。
とりあえず今回はここまで。次回でケリがつくといいな。
基本的に順目が深くなるにつれ現物が増える分、相対的に放銃率が増えるはずです。
とりあえずガンガン表とかグラフ載せていきますよ~
まず実測から抜き出したデータから

なぜか前回の75322局から6局減ってますが、同じデータです。前か今のどっちかがおかしいだけです。

放銃率の増加傾向は明らかですが、今回は当たった回数の数字が小さくあまり安定していません。
このままの数値を使うのは若干抵抗があります。普通にまんなかへんの順目でも減少になってる部分がありますし。
なので適当な式を立てて放銃率を推定することを考えます。
ここではxを順目、yを放銃率として、y=ax+bの線形の関係が成り立つと仮定します。(a,bは未知パラメータ)
後は実測にできるだけ沿うようなa,bを推定します。
しかし、この推定は意外と難儀です。順目ごとに母集団(切った回数)が異なるので、通常の回帰分析は使えません。
(当然切った回数が多い中順あたりのデータが重視されるべき。)
ここでは2つの方法を試みます。
(1)誤差2乗和の最小化
実測当たった回数と推定当たった回数の差の2乗の和を最小化させるa,bを採用します。式で書くと
順目xの切った回数をn_x、実測当たった回数をk_xとおいたとき


回帰分析のときに近いアイデアですが、順目で平均した推定放銃率が実測とあっていないのが欠点です。
(2)最尤推定法
最尤推定法の手続きに従って進めていきます。記号は(1)と同じとして、尤度は

logとってa,bで微分して=0をとればいいので

この2式を満たすa,bを求めます。(a,bについて高々1次なので解析解が求まりますが、エクセルのソルバーに任せちゃいました)

推定放銃率の順目平均が実測とあっているのはいいですが、単騎字牌の早順でマイナスの放銃率が出ているまずい事態です。(もっとも単騎字牌の当たった回数が極端に少ないんでどんな推定だろうがあまり説得力がないでしょうが)
とりあえず今のところ単騎字牌以外は(2)、単騎字牌は(1)を採用することとします。
これが妥当なのか検証する方法が分からないのがちょっとネックになっています。
もっといい方法があるだとかこのような検証方法があるといった意見があればコメントしていただきたいところです。
さて、前回から目標にしている「スジまでは押すけど無筋引いたら降りる」ですが、
ここまでである牌までは押すの条件下でベタ降りに転じなかった場合の1順あたり放銃率が求まります。
順目xを固定して、ある区分k(ここでは両無筋~現物までを区分1~6とおく)までなら攻める場合、
区分iの牌をツモる確率をp_i(これは前回求めた)、区分iの牌を切ってリーチに放銃する確率をy_i(今推定した)と置くと、その順目でベタ降りに転じる牌を引かない条件での1順当たり放銃率は


「スジまで押す」の条件なら毎順50%ぐらいはベタ降りに転じざるを得ない代わりに、1順当たり放銃率で全ツの5%あたりから1%まで落ちる(実際は50%くらいベタ降りになっているので実際放銃の結果となるのは0.5%)ことを考えると私は十分戦略としてありそうに感じますが、みなさんはどのように感じるでしょうか?
実際どうなのかはまたこれから計算してみましょう。
とりあえず今回はここまで。次回でケリがつくといいな。
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