今日のテーマは国士っぽい捨て牌をしてる他家が実際に国士を聴牌してる確率がどの程度か、というテーマです。
「国士っぽい捨て牌」という定義をどうするかは議論ができるところだと思いますが、
とりあえず次のような定義に当てはまるものを「国士模様」と呼ぶことにします。
1・対象者が非リーチ0副露である。
2・対象者の6巡目までの捨て牌がすべて2~8牌である。(7巡目以降の捨て牌については見ないものとする)
3・場に4枚枯れのヤオ九牌がない。
他家については特に条件は付けないものとします。(非リーチ面前かもしれないし、リーチかもしれないし、副露かもしれない。)
この定義で聴牌率を調べたのが次の表になります。

「データ数」が国士模様者がいるときに他家から牌が切られた回数です。
6巡目時点の捨て牌で国士模様者を判定してる(条件2)ので、5巡目までのデータはなくて、6巡目より後だとどんどんデータ数が減っていきます。これは国士模様者が途中で鳴きを入れたり(実は染め手だったケースなど)、リーチを入れたり(実はチートイだったケースなど)、4枚目のヤオ九牌が出たりするためです。
「聴牌率」は国士模様者に対して牌が切られたときに国士模様者が聴牌している確率です。(聴牌の種類は問わない)
非リーチ0副露(条件1)なので、ダマ聴牌ということになります。
当然ながら巡目が深くなるにつれダマ聴牌率は上がっていきます。
「国士聴牌率」は国士模様者に対して牌が切られたときに国士模様者が実際に国士で聴牌している確率です。
巡目が早いうちは大したことないですが、12巡目で3%、15巡目で11%の確率で国士聴牌が入っています。おっかないですねー。
「国士割合」は「国士聴牌率」÷「聴牌率」です。国士模様者の聴牌のうち、実際に国士になってる割合ですね。
最初のうちほど国士割合は低く、巡目が深くなると急激に増えていきます。
6巡目までの捨て牌がすべて2~8牌である(条件2)だけだとたまたま不要牌が2~8だけだったケースや染め手やチートイもあるところですが、深い巡目に入って鳴きもリーチもないということは実際に国士になってる確率が高まるということだろうと思います。
実際のところ気になるのは放銃率だと思うので、そっちの方も調べてみました。

こちらは国士模様者がいるときに、他家が牌を切った時に国士模様者にロンされた確率です。
種別はタンヤオ牌と19牌、役牌、オタ風でヤオ九牌に関しては場に切れてる枚数で分けてます。
ダマ聴牌なので、数字が小さくてちょっとわかりにくいですが、見ていきます。
一番数値が大きいのが0枚切れ役牌になってます。国士だけでなく、ただの役牌手や染め手、チートイに対しても待たれやすい牌になってるので、これはまぁ自然かと。12巡目で0.8%。ダマとしてはけっこう高めの数値に見えますが、どうでしょうか。
3枚切れ役牌についても0.2%とそこそこの放銃率です。対リーチの3枚見え字牌と同程度です。しかも当たった時は100%国士の牌ですからね。けっこうやばいです。
次が放銃時の失点です。(リー棒支出・積み棒含む。)親と子は分けた方がよかったのですが、面倒だったのでやりませんでした。

あまりサンプル数が多くなくていいデータじゃないので、全巡目の平均のデータだけ見てみます。
タンヤオ牌で当たっても6000点とそこそこのお値段。染め手とかチートイとか高打点系の手にあたりやすいということなんでしょう。
ヤオ九牌になると1万点2万点3万点が頻発するのでとてもおっかないです。
切れてる枚数が多いほど国士の割合が高まるのか、放銃失点が大きいです。4枚目の字牌なら100%国士なのでまぁ順当なところでしょう。
最後に放銃率×放銃失点です。これが実質的な危険度といえるでしょう。

これもあまりサンプル数が多くなくていいデータではない。
目安として対リーチ(6000点の手)に10%危険度の牌を切るときで-600点、5%危険度の牌を危険度の牌を切るときで-300点というのがあります。
これから言えば
・タンヤオ牌ならあまり大したことない。
・終盤(14巡目とか)の19牌字牌だと対リーチに筋牌を切るようなもの
・切れてる枚数はあまり関係なさそう。(多く切れてると放銃率は下がるが、放銃時失点が上がるのでトントンになる。)
・流局間際のヤオ九牌は-1000点以上とかで対リーチより明らかにヤバい。自重するのが無難。
低放銃率超高打点なので対リーチと同列で語るのは微妙かもしれませんが、危険度的にはその程度にあたると。